整形外科
変形性股関節症
変形性股関節症とは 〜原因、検査、治療法〜
「立っている時股関節あたりに違和感がある」
「踏ん張ったり歩いたりすると股関節が痛い」
「股関節以外にも腰やお尻に痛みがでてきた」
このような症状がある方は、変形性股関節症かもしれません。

日本の変形性股関節症の患者さんは120万人以上いるといわれています。
特に、中高年の女性に多い疾患です。
原因は寛骨臼形成不全(大腿骨頭の受け皿の臼蓋が浅い)が80%以上です。
臼蓋形成不全を合併している方は、30歳代から股関節に違和感がでる方もいます。
股関節に痛みや違和感がある方はご年齢に関係なく整形外科で検査をしましょう。

変形性股関節症の診断は、問診 、レントゲン、MRI 検査で行い、関節の間隔、脱臼の有無などを確認します。
変形性股関節症は病状によって、前期・初期・進行期・末期の4段階に分類します。
股関節が痛む場合、変形性股関節症だけではなく、骨頭壊死、軟骨下脆弱性骨折、 骨挫傷の可能性もあります。
これらの疾患の初期段階では、レントゲンで発見できないため、MRI検査が有効です。
股関節が痛む場合、変形性股関節症だけを考えるのではなく、
様々な疾患の可能性も考えて、MRI検査を行うことが大切です。

変形性股関節症の治療法は、保存療法と手術療法です。
保存療法は、お薬・リハビリテーション・関節への注射などを行い、痛みを抑える方法です。
また、治療と並行して股関節への負担を減らす生活の指導を行っていきます。
過体重の場合には、体重を減らすことも大切です。
予防や進行を抑えるためには、ストレッチや適度な筋力トレーニングが重要です。
股関節周りの筋肉を緩めて可動域を広げましょう。
また、お尻や太もも、股関節周りの筋肉を鍛え、股関節を支えるための筋力を増やしましょう。
筋力トレーニングはプール歩行のような股関節への負担が少ない運動が理想的です。
保存療法で症状が良くならない方は、手術療法(人工股関節置換術)が重要です。

今回は、変形性股関節症についてご紹介致しました。
1. 変形性股関節症は、臼蓋形成不全が原因で発症することが多い
2. 病気検査はレントゲンだけでなくMRIも一緒に撮影することが大切
3. 治療は保存療法と手術療法がある
特に、自分の関節の状態を把握し、より早く変形性股関節症に気づくことが重要です。
当院では、あなたに合った治療法を一緒に考えていきます。
副院長の小林慎一郎は他院で手術を執刀しています。
変形性股関節症は中高年の女性だけではなく、いろいろな方に起こりうる身近な疾患です。
股関節に違和感や痛みがある方は、当院にいつでもご相談ください。